公演迫る!イタリア・バーリ歌劇場来日公演 加藤浩子(音楽評論家)による指揮者ビサンティ・インタビュー

「重要な劇場でのデビュー公演は、すべて私の心の大切な宝です」〜ジャンパオロ・ビサンティ

いよいよ、目前となったイタリア・バーリ歌劇場来日公演。ツアー全公演で指揮をとる大注目指揮者ジャンパオロ・ビサンティに、公演についての意気込みををインタビュー!!!

 

 

ジャンパオロ・ビサンティは、今、イタリア・オペラの分野でもっとも注目されているイタリア人マエストロのひとりだ。ミラノ音楽院を卒業後、数々のコンクールで優勝。ここ10年あまりで、チューリヒ、ドレスデン、ウィーンをはじめイタリア国外の重要な劇場に進出し、高い評価を受けている。昨年3月、新国立劇場《ルチア》での日本デビューも大成功を収めた。

—指揮者になる決心をされたきっかけを教えていただけますか。

ビサンティ(以下B):音楽院ではクラリネットを専攻したのですが、オーケストラのクラスにも通わなければならず、そこで指揮者という仕事に魅了されました。時間を重ねるごとに、どんどん惹きつけられていったのです。

—これまでのキャリアにおいて、印象に残っている公演をあげていただけますか。

G:《マクベス》でウィーン国立歌劇場にデビューした時、《ルチア》で日本にデビューした時、トリノやヴェネツィアやフィレンツェといったイタリアの重要な劇場にデビューした時、ベルリン・ドイツ・オペラやドレスデンのザクセン州立歌劇場へのデビュー…。重要な劇場におけるすべての「デビュー」公演は、私の心の大切な宝になっています。

—重要な影響を受けた先生はいらっしゃいますか。

G:ユーリ・アロノヴィッチと、ドナート・レンツェッティの2人です。とくにレンツェッティからは、指揮者という仕事の基本から細かいところにいたるまでの「秘密」を教えてもらいました。

—バーリ歌劇場では常任指揮者をつとめられていますが、この劇場の魅力を教えてください。

G:バーリ歌劇場は、間違いなくイタリアでもっとも美しい劇場のひとつで、音楽史、そしてオペラ史に残る偉大なアーティストが常に客演してきた素晴らしい歴史を持っています。
現在の芸術監督は新しいことに意欲的であると同時に伝統的なレパートリーへの気配りも怠らず、聴衆が興味をそそられるようなプログラムをいつも提供しています。

—今回の公演では、イタリア・オペラを代表する2人の作曲家の代表的な傑作を振られますね。

G;ええ。とても光栄ですし、楽しみです。《イル・トロヴァトーレ》はイタリアのロマン主義を代表するオペラのひとつで、ヴェルディの傑作に数えられており、ドラマ性とベルカントのバランスが完璧にとれている作品です。《トゥーランドット》はプッチーニの最後のオペラで、彼のそれまでの探求の成果であり、大胆で革新的な旋律に溢れています。音楽はよく知られているし、聴衆を惹きつけて飽きさせません。

—キャストと演出についてはいかがでしょう。

G:キャストは素晴らしいです。ここ20年のもっとも偉大な歌手たちが集結しているのですから。
バルバラ・フリットリとマリア・グレギーナは疑いなく偉大なレオノーラとトゥーランドットを創造してくれるでしょうし、フランチェスコ・メーリ、マルコ・ベルティ、アルベルト・ガザーレも、今更私が言うまでもない素晴らしい歌手たちです。比類のない声を持ち、舞台上で類い稀れな存在感を発揮できる才能を授かっているのです。
演出は2作ともきわめて伝統的かつ壮麗なもので、台本にも忠実ですから、きっと日本の皆さまに喜んでいただけると思います。
昨年の《ルチア》での日本デビューは、私にとってとても幸福な体験でした。私がポストを持つバーリ歌劇場を日本の素晴らしい聴衆の皆さんに初めてご紹介できることを、とても名誉に思っています。

インタビュー・文 加藤浩子(音楽評論家)


 

ジャンパオロ・ビサンティ(指揮)

現代の若手指揮者の中で最も注目を浴びているうちの一人。「細かい泡が随所で上質の発泡を繰り返すような指揮」と評されており、イタリア人指揮者ならではの解釈で躍進を続けている。
デビューして直ちに頭角を現し、主要歌劇場のほぼ全てで続けて指揮に招かれている。その成果は一目瞭然。フィレンツェ、パレルモ、カターニャでの《椿姫》、トリエステの《マクベス》、カリアリ歌劇場の《オテロ》、トリノ・レージョ劇場の《愛の妙薬》、そしてトリノとカリアリで《トゥーランドット》、ジェノバ・カルロ・フェリーチェ劇場で《ラ・ボエーム》、ヴェネツィア・フェニーチェ劇場での《蝶々夫人》、バルセロナのリセウ大劇場で新演出のヴェルディ《マクベス》、さらにチューリッヒ歌劇場で《ラ・ボエーム》、ゼンパー・オーパーでは《ラ・ボエーム》《カルメン》、ベルリン・ドイツ・オペラで《アイーダ》等々、突出した活躍を続けており枚挙のいとまがない。2017年3月新国立劇場《ルチア》で初来日も果たし、絶賛された。
今後2018~2020年は、イタリア・バーリ歌劇場の音楽監督に指名されたことから、それぞれのシーズンで2つのオペラ作品と数多くのコンサートを指揮する予定。

 

注目のイタリア・バーリ歌劇場初来日公演の詳細は  >>>コチラ

◆ INFORMATION ◆ ヴェルディ協会主催ジャンパオロ・ビサンティ&アルベルト・ガザーレ講演会
6月に初来日するバーリ歌劇場《イル・トロヴァトーレ》公演を記念して、
指揮者ビサンティ氏とバリトンのガザーレ氏による実演つきの講演会を開催します。
 【日時】2018年6月19日(火)18:00~
 【場所】イタリア文化会館アニェッリホール
詳しくは >>>コチラ