~加藤浩子のスロヴェニア マリボール国立歌劇場レポ その3~ 劇場叩き上げのイタリアのマエストロ 指揮者フランチェスコ・ローザ

イタリア・オペラの達人が率いる高水準のオーケストラ〜《アイーダ》の指揮者、フランチェスコ・ローザに迫る

イタリア・オペラといえばとかく歌手が目立ちがちだが、実は指揮者も全体のできばえを左右する。マリボール国立歌劇場の《アイーダ》を指揮するフランチェスコ・ローザは、劇場叩き上げのイタリアのマエストロ。名指揮者ダニエル・オーレンやマウリツィオ・ベニーニのアシスタントを務め、劇場ピアニストしても活躍。マリボール歌劇場には2006年以来たびたび客演し、2007年にマリボール歌劇場が初来日で披露した《ラクメ》も指揮している。

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<指揮者フランチェスコ・ローザとともに>

4月に現地で上演された《アイーダ》では、歌手をよく歌わせつつ、自身が「とても水準が高い」と評価する同歌劇場のオーケストラをうまく煽り、歌心に満ちた流麗かつ劇的な音楽で喝采を浴びていた。今回日本で共演するグレギーナやチェドリンスとも共演を重ね、絶大な信頼を得ている。

《アイーダ》というオペラは、「スペクタクルな場面もあるが、室内劇的な側面も大事。人間の感情表現を重視したヴェルディのひとつの帰着」(ローザ)。同国人マエストリーニの演出については、「心理の深い側面を追求していると同時に色彩豊か。伝統的でとても美しい。偉大なマエストロの仕事」だと絶賛していた。

指揮も演出も、イタリア・オペラの伝統の技を極めた《アイーダ》。日本公演も現地同様、完成度の高いものになるだろう。